泡盛とは
約600年もの歴史を持つ泡盛のルーツは、
⼀般的に類似の蒸留酒が存在することから、中国あるいはタイ(シャム)などの東南アジア地域がルーツであると言われています。
しかし、黒麹菌(アワモリコウジ)を用いた蒸留酒は、他に類を⾒ない泡盛独特のものであるところから、泡盛そのものの製造法は沖縄独⾃に⽣まれ、沖縄の風土・文化の中で育まれたものであると考えられています。
かつての琉球王国時代は、琉球王府があった赤田、崎山、鳥堀の首里三箇だけに「焼酎職」という職⼈を住まわせ、直接監督下で泡盛を作らせていました。そこで作られた泡盛は、主に王府の行事や交易品、または江⼾への献上品として使われていたようです。
瑞泉酒造は、首里三箇のひとつである崎⼭の焼酎職を始祖に持ち、⻑い歴史を誇る泡盛・古酒の伝統を受け継ぐ酒蔵です。
製造工程
原料の加工から貯蔵・熟成にいたるまでの6つの工程をご紹介いたします。
原料はお米です。主にタイ米を使用します。
1.洗米・浸漬
米を洗い、水分を吸収させるために水に浸します。
2.蒸米
十分に水切りしたら、蒸米機の中で1時間ほど蒸し上げます。 蒸すことにより、白米に含まれる澱粉が消化されやすい状態になります。
3.製麹
蒸された米は製麹機に移され、泡盛特有の芳醇な香りと味を生む黒麹菌を散布します。
黒麹菌には、米に含まれる澱粉を葡萄糖に変える働きと、クエン酸を作りだして雑菌の増殖を抑える働きがあります。繁殖に適した温度を保ちながら、2日かけて麹の熟成を待ちます。
4.仕込み
できあがった麹に水と酵母を加え「もろみ」を作って発酵させます。黒麹菌が作ったブドウ糖を、酵母が発酵作用でアルコールに変えます。 仕込みから約2週間でアルコール度数が18度~19度にまでなります。
5.蒸留
熟成もろみを蒸留機へ移し、単式蒸留機で蒸留します。蒸留することによりアルコールが濃縮され、芳醇な香りを放つ、泡盛ができあがります。
6.貯蔵・熟成
できたての泡盛原酒は、44度に加水調整して貯蔵タンクおよび甕で熟成させます。 時とともに、香り高く、まろみを帯びた泡盛独特の味わいへと変化し、1年ほどで製品として出荷されます。
古酒のつくり方
時が深い味わいを泡盛に注ぎ込む「古酒(クース)」
古酒(クース)は、3年以上熟成を重ねた泡盛だけが、名乗ることができます。
その特長は、長く寝かせて熟成を深めるほどに芳香を増し、舌の上を転がるようなまろやかさが加わってくるところです。
泡盛は瓶で熟成させることもできますが、甕で貯蔵した方が美味しい古酒を作ることができます。
古酒造りの基本は甕選びにあります。良く焼き締められた素焼きの甕を用意し、40度以上の自分のお気に入りの泡盛を詰めて、あとは時が過ぎるのを待ち、年に一度蓋を開け甕の状態や漏れがないかチェックします。
泡盛は瓶で熟成させることもできますが、古くから伝えられる「仕次ぎ」と呼ばれる方法で、いつまでも年代物の古酒を楽しむことができます。
仕次ぎとは、もっとも古い酒である親酒を汲みだしたら、その減った分に2番目に古い古酒から仕次ぎし、2番目の甕には3番目の古酒を仕次ぎして補充します。このように順番に行い、年の近い古酒同士を掛け合わせることにより、古酒を活性化させ育てることにより、減らない美味しい古酒を飲んで楽しめる理想的な貯蔵方法です。
このような工程を経ることで、親酒(親甕)の風味は損なわれず、数十年物の古酒が楽しめるようになります。
「古酒」と表示できる条件は、100%3年以上貯蔵した泡盛であることです。